私の人生相談21
母の発想の根本には、「子供は問答無用で親に従うのが当然」「子供は、親が右と言えば右、左と言えば左にならうもの」という妄信があり、さらに「そうしない子供は異常」という二重三重の思い違いがありました。
ご存知のように、例え親子であっても、別個の人格を持った別々の人間なんですから、意見が違って当然です。
母はその事実を全く受け入れませんでした。
母は自らの軽蔑に値すべき妄想に、なぜか絶対の自信を持っていました。その数少ない根拠の一つが「私は短大で幼児教育を学んだから」でした。
話になりません。母が現役の頃、女性の短大・四大の進学率は20%でした。数の上では上位層になるのでしょう。
しかし無名の短大の入学試験は有って無いようなもので、裕福な家庭の子なら、アホでもどこかに入れたものです。
そこで学ぶ児童心理学など、かなり初歩的なものだったはずです。
それを声高らかに自慢し、自らの妄想を正当化しようとする。なんと空しい学歴の使い方でしょうか。
母は短大で、一体何を学んだのでしょうか?
短大で間違ったことを教えていたのか、それとも母が教わった内容を正しく理解できないまま点数だけ取って単位を貰ったのか。それは謎のままです。