取り返しがつかない

取り返しがつかない。

私は大学中退だ。大学を辞めたことで、この国で一番就職に有利だとされる「新卒カード」を失ってしまった。

私はこのことを、最近激しく後悔し始めた。

辞めた時は、新卒カードといった切り札があることすら、知らなかった。周囲の誰もそんな話をしていなかったし、母にも教えてもらえなかった。おそらく母は常識が無いので、そんな事すら知らなかったのだろう。

母の支配から脱して、いろんな情報を集めるうち、やっと大学の卒業資格に意味があることが分ってきた。

母の支配下で、非常識な世界観にどっぷりつけられていた時は、そういった”一般常識”に気づかなかった。

母のせいで、常識を見落としたり、誤った決断をしたことが、沢山ある。

親元から離され、100％自分の責任で決めるようになってから、そういったことは徐々に減っていったが、手遅れだ。取り返しのつかないことが沢山ある。

人生の岐路となる重大な決断の大半は、学生時代にやってくる。未成年の間に、大きな決めごとを自分で決めないといけないのだ。

その時期に、私の様に親に洗脳され、「親が喜ぶ範囲内の決断しか許されない」状況で誤った判断をくだしたら、もう引き返せない。しかし、結果責任はすべて自分にやってくる。親は責任を取らない。

よく母は、「他人のアドバイスには従うな」「他人の誰が責任を取ってくれるのか」と言っていたが、そっくりそのまま母に言い返したい。母こそ、自分の思い通りに子供をコントロールして失敗させておきながら、何の責任も取らずに逃げたではないか。

「じゃあお母さんは責任取ってくれるんですか？責任を取りたくないがために自分は直接手を下さずに僕をコントロールして、全く責任取る気が無いじゃないか。失敗したら責任取ってくれるんですか？」

こう言い返せばよかった。

悔しい。本当に悔しい。